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曇りでも楽しめる!日本一の星空が見れる阿智村のナイトツアーは、ただの天体観測ではない

by AIKO

星空が最も輝いて見える場所、長野県阿智村

人口約6,500人の長野県下伊那郡阿智村。この小さな街に、今、全国から観光客が殺到しています。

環境省の「星空が最も輝いて見える場所」に認定されている長野県の阿智村の星空。この「日本一の星空」を一目見ようと、2015年には、年間6万人もの人が阿智村を訪れました。

観光のための地域づくりではなく、地域づくりのための観光。という、観光の本質から外れていない小さな街が起こした奇跡は、本にもなっています。物語風のビジネス書で、とても読みやすい一冊です。

ということで、「日本一の星空」を見るために、阿智村まで行ってきました。

母が長野市出身なので、北部の方には毎年何度も行くのですが、南信に行くのは初めて。ひとまず、阿智村の中心地にある昼神温泉郷へ向かいます。阿智村までは、名古屋からだと車で約2時間、東京からは車で約4時間半。電車とバスで行く場合は、新宿駅から特急あずさに乗り、茅野駅で昼神温泉行きのバスに乗り換えて、片道約3時間半です。

昼神温泉郷は南信州最大の温泉郷。ph9.7という強アルカリ性を誇る昼神温泉は、日本屈指の「美人の湯」とも言われてるそうです。こんな素敵な温泉街が長野の山奥にあるなんて知らなかった……!

旅館の夕飯も「星空ナイトツアー」に合わせて、早めに食べることができます。地元の美味しいものをふんだんに使った料理は、どれも絶品。野菜もお肉も本当に美味しかったです。このまま温泉に入って、ゆっくり晩酌をするだけでも十分満足できそうですが、今回の旅の最大の目的は「日本一の星空」!

昼神温泉郷から、星空が見える"ヘブンスそのはら"までは、車で約15分。

入場券&ゴンドラ往復券は、大人2,200円、小、中学生は1,000円。予約は不要です。チケットは旅館のフロントで購入できました。夕飯の時間をずらしたり、チケットが旅館で買えたりと、町全体が「星空ナイトツアー」を盛り上げているのがとても良い。

冬はスキー専用のゲレンデとして賑わうヘブンスそのはらは、雪のないシーズンの経営が長年の課題でした。しかし、今やこのように夏場も大賑わい。星を見るために、長野の小さな町に毎日何千人もの人が押しかけるこの光景は、本当にすごい。。

山頂までは、ゴンドラに乗って約15分。真っ暗なゴンドラって面白い。。標高1,400mから見る「日本一の星空」まで、もう少し。

しかし、この日は残念なことに、満月が明るすぎて、綺麗な星空を見ることはできませんでした。

星が見られなくても、満足できる仕組み

阿智村の「星空ナイトツアー」は、ただの「天体観測」ではありません。「星空エンターテイメント」というコンセプトを掲げているこのナイトツアーは、天候が悪い日でも楽しめることでも有名です。"スターガイド"と呼ばれるガイドさんたちは、星の見えない日でもレーザーポインターを使って星座の説明をしてくれるのです。まさに、天然のプラネタリウム!

ガイドさんたちの「少しでも楽しんで帰ってもらいたい」というこの誠意や一生懸命さこそ、観光で一番大事なこと。私たちが旅行に求めてることって、「美味しい料理」や「素敵な温泉」の先にある「非日常感」や「楽しい思い出」だと思います。

地域の魅力に目を向けるという宝探し

「うちの町には何もない」と思ったら、それはビッグチャンスかもしれません。自分の街にある身近な"お宝"にまだ気づけていないだけなのです。阿智村は、綺麗な星空の存在に気づき、すでにあるスキー用のゴンドラをナイトツアーに利用しました。お金をかけて新たに何かを作り出したわけではありません。

「観光客を呼びたい!」と思ったとき、まず最初に考えるべきことは「お客さんに喜んでもらうにはどうしたら良いか」ということではなく「自分たちの強み」です。冒頭にも書いた通り、観光の本質は、観光のための地域づくりではなく、地域づくりのための観光です。まず、自分たちの強みを見極め、その強みに合うターゲットを考えます。そして、そのターゲットが何を求めているのかを考え、それに対して自分たちは何ができるのかという順番で落とし込んでいきます。

阿智村の場合

  1. 自分たちの強みの見極め(日本一の星空)
  2. 強みに合うターゲットを考える(首都圏のカップル)
  3. ターゲットが求めていることを考える(ドキドキする忘れられない体験)
  4. ターゲットが求めていることに自分たちは何ができるのかを考える(星空エンターテイメント)

観光はお金以上の価値を提供できる素晴らしい産業

本来、観光は一過性の流行りものではなく、長いスパンで育てていくものだと思います。すぐに成果を生み出すものあれえば、3年、5年、それ以上と長い年月が必要な場合もあります。その地域でしかできない強みを活かし、今まで味わったことのない「新鮮さ」や「非日常感」を提供すれば、観光客はお金を出してくれます。

観光ブランドは、お金をかけるだけでは育ちません。大事なのは「この町の魅力をたくさんの人に伝えたい!」という、地元の人の想いや熱意です。たとえ、ヒト・モノ・カネがなくても、想いさえあれば、お金以上の価値を提供できるのが観光の素晴らしいところだと思います。


AIKO
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